会長挨拶
片山会長

会長就任にあたって

 ロータリーは、発祥からすでに百十余年が経過した。ロータリーは、今や世界中に会員組織を張り巡らし大きく成長したと言えよう。ロータリーが誕生した当時存在していた社交クラブの殆どは、次々と消え去ってしまったといわれている。何故、ロータリーだけが現在に生き残ることができたのだろうか。

 創立者ポール・ハリスは幼年時代、父母のもとを離れ米国ニューイングランド地方のウォリングフォードに住む祖父母のもとで育てられた。ポール・ハリスの自叙伝「ロータリーへの私の道」の冒頭には、ポールが駅を降りて暗い夜道を祖父のがっしりとした手にひかれてゆく件がある。ポールの心に安堵とともに祖父への信頼が芽生えるこの場面には、幾たびか胸が熱くなった。清教徒の血統を引くと思われる謹厳実直この上ない祖父の生き方を目の当たりにしながら成長していった少年時代のポールだった。はたして、このウォリングフォードでの体験がロータリークラブ設立のトリガーとなっているのだろうか。

 職業奉仕といえば、「He Profits Most Who Serves Best」(RIの第二標語)の提唱者はアーサー・フレデリック・シェルドンであるが、彼の職業奉仕の理念を信奉するロータリアン(シェルドン派)と、宗教改革を端緒とするピューリタン(プロテスタントの一派)の生活規律にこそ職業奉仕の精神があるとし、「Service Above Self」(超我の奉仕、RIの第一標語)に重きを置くロータリアン(天職派)が存在し相譲らない。前者が米国で、後者が欧州で優勢だとのことである。

 さて、ロータリーの歩んできた長い道を振り返って辿って行くと、ある岐点が見えてくる。そこには「決議23ー34」の旗が揺れている。ロータリーは、この「決議23ー34」により以降一貫した理念を持ち続けることになる。この決議は、ロータリーをして社会奉仕を余儀なきものとしたと言われている。創設当初の社交や相互扶助を目的とする団体から脱皮して、早い時期に社会奉仕に舵を切ったことが、ロータリー長命の一因なのかも知れない。「決議23ー34」の精神を学びたい。

 私は、ロータリーの目的や価値観、規範や様式等々、ロータリーで日々行われている諸事象の多くが、ここで述べた長い歳月を経たいくつかの論点と今もなお深い関わりを持ちながら、決して逸脱する事なく進化し続けているのではないかと考えています。こうした論点に関心を持ち探求してゆくことは、ロータリーの意義をより深く理解することになり、自らのロータリー活動にモチベーションを与え、ひいては充実したロータリーライフを過ごすのに恰好な題材となるものと考えています。ぜひ皆さんと一緒に考えてゆきたいと思っております。どうぞよろしくお願い申しあげます。